好きな句。
明日会ふ人に賀状を書いてをり 涼野海音
しぐるるや湯の町の湯気くぐりゆく 大塚凱
夏の月どろりと流れ出してゐる 抜井諒一
紫陽花の小径ゆくとき脳静か 小林鮎美
まどろみしのちの蜩荒きかな 藤田哲史
冷房が眼帯の紐揺らしをり 森篤史
かき氷融けて平和な海の色 植松彩佳
さきほどの私を抱く布団かな 小林夢日
———————————————————————–
「まず石田波郷新人賞ということで有季定型と格調のあるものという見方からすると」
「波郷新人賞ということを考えると、有季定型で文語体を用い、格調高く詠む姿勢が望ましい」
何れも甲斐由紀子氏の発言より。
「とは言え、あまり文法的なことばかり気にして、俳句をつくるのに消極的になってもいけません。ともかく俳句を作ったら他者に見てもらい、お仲間(連衆)の目に晒し、批判を受けることも大事なことではないでしょうか。」
実行委員会の結びの言葉より。
———————————————————————–
発言の捉え方が難しい。
ただ、
「うちらが言うところの新人てのが前提としてあって、それに適う人がいればいいかな」
という意図は感じられた。
その意図をきちんと感じられていなかったのは、自分の賞に対する気持ちが足りないということかとも思う。勉強不足ということかとも思う。
各審査員の方々はしっかりと鑑賞してくださっていると思う。それだけに、上に引いたものも含め、なぜメッセージを強く出す必要があったのか。選んだ作品・句を並べるだけでは伝わらない何かがあったのだろうか。違和感が残るが、そういう世界もある、と思えば、特に気にもならないのだろう。